高齢者のこころと脳の専門外来
患者様が退院された後、外来通院されている方が安心して治療をうけ、より良い生活ができるよう日常生活への支援、看護を行います。
ヒトは年を取るにつれ、誰しも公平に「老化」が進みます。
「老化」自体で起こる「変化」
朝早く目覚めることによる睡眠時間の減少や単純な物忘れなど
「老化した脳」でおこりやすい「病気」で生じる症状
高齢者のうつによる不眠症や病的な物忘れ
このように「脳の老化」では、「変化」と「病気」の区別が困難であることが、問題を複雑にしています。この誰しも生じる正常な「老化」と、高齢者に多い「病気」の症状が似ているために、高齢者では、こころ・脳の病気が見落とされがちです。
見落とされ、病気が放置されると、様々な、回復困難な重い病気が生じやすくなり、後戻りが出来ない結果になる場合があります。例えば、親友や配偶者を亡くせば、気分は落ち込むのは自然なことです。しかし、自然な落ち込みも程度を越えて続くと、食欲が落ちて低栄養から、免疫機能低下へと至る危険性があります。
また、落ち込みが続き脳の機能にまで影響が出てくると、時間がたっても立ち直れず、いつの間にか何もする気がなくなり、「うつ病」となることがあり得ます。また、うつ病にかかっている高齢者は、そうでない人と比べて認知症にかかる可能性が大幅に増加することがわかっています。
以上のように、高齢者では、正常な変化と病気の見分けが困難ですが、見分けることが大変重要です。そのため、当院では精神科専門医と認知症専門医による「高齢者のこころと脳の専門外来」を設けております。また、入院での検査や治療も行っております。お気軽にご相談ください。
不眠症外来
まずは、お薬に頼らず睡眠改善にトライしてみませんか?I-SHEEP井口野間病院睡眠改善プロジェクトを始めました。
睡眠の改善をしたいと考えている方や睡眠のお薬を減らしていきたいと考えている方に、睡眠衛生教育プログラムを準備しております。
医師の指導の下、臨床心理士と一緒に、全12回のプログラムに取り組みます。
睡眠プログラムでは睡眠環境調整、リラクゼーションの指導を行い、
睡眠の質の向上を目指し、日々の生活時間の変化を見る
ために毎日睡眠時間などの記録をしていただきます。
一人で継続していくことは、なかなか難しいものですが、誰かと一緒なら乗り越えやすくなります。
すでに通院されてている方は外来Ns、心理士にお問い合わせください。
*心理的もしくは身体的な面で、睡眠改善プログラムに合わない場合があります。現在治療中の方は、まず主治医とご相談下さい。
医師による診察
I-SHEEPプログラムが適しているかどうかの判断をします。
I-SHEEPプログラム(計12回)
※初回:3,000円
※2回目以降:1,500円
*期間や頻度に関しては、ご相談ください
アテネ不眠症尺度
あなたの眠りの困難さについて理解するための自己評価尺度です。
減酒支援外来
あなたのお酒の飲み方は大丈夫ですか?
現在のお酒の飲み方を続けると、将来お酒のためにあなたの健康や社会生活に影響がでる恐れはないでしょうか。お酒は、現在治療中の病気の回復の妨げになるばかりか、病状を悪化させる危険性があります。
もしもあなたがお酒の量を減らすことに関心をお持ちでしたら、当院へご相談ください。国立肥前精神医療センター監修のワークブックを用いて、減酒支援を行っています。
減酒支援外来は、断酒を強制するものではありません。現在のお酒の飲み方が適正か、客観的に評価を受けることができます。このまま飲み続けても良いのか、減らした方が良いのか、あなたの進むべき方向を自分自身で選ぶことができるように、私たちがお手伝いを致します。
そのうえで、もし、お酒を減らしてみたい…とお考えであれば、お酒の飲み方をどのように変えるのか、お酒の量を減らすコツをお伝えしながら、あなたがその目標に向かわれるあいだ、しばし伴走致します。
お酒の量を減らして変わる自分自身を想像してみてください。
- よく眠れるようになるかもしれません。
- 憂うつな気分が減って、気分がよくなるかもしれません。
- 体が今よりも楽になり、体力がつくかもしれません。
- 能率が上がり、仕事が充実するかもしれません。
- 家庭や職場などでの人間関係が良くなるかもしれません。
- 体重と血圧が下がり、メタボの危険が減るかもしれません。
- 心臓病や癌、肝臓病で命を落とす危険性が減るかもしれません。
- 脳にダメージを与えることなく、健やかな老後をむかえることができるようになるかもしれません。
- お金がたまり、生きている間にできることが増えるかもしれません。
- しらふで過ごす時間は、あなたが思っているよりも、悪くないかもしれません。
もし、あなたのお酒の量があなたの健康や社会生活を害するほどに多く、継続してお酒の量を減らすことができない場合には、アルコール依存症の可能性があります。この場合には、断酒が求められます。アルコール依存症は回復可能な「病気」です。
AUDIT検査
AUDIT (The Alcohol Use Disorders Identification Test)WHO(世界保健機構)を中心に開発、作成された自記式のスクリーニングテストです。
持続していけば将来健康を害する恐れのある危険な使用、および既に健康被害を招いている有害な使用の状態にある飲酒者の確認を目的としたものです。
現在の飲酒習慣が適切か、健康への被害や日常生活への影響が出るほど問題があるのか、AUDITというスクリーニングテストでチエックしてみましょう!
禁煙外来
喫煙を当院ではニコチン依存症という病気として必要な治療を行います。
タバコの煙には、4,000種類の化学物質が含まれていて、有害物質が200種以上も含まれています。さらに、発がん性物質50種類以上にのぼると言われています。最近、増加傾向にある「加熱式タバコ」の煙にも「紙巻きタバコ」と同様にニコチンや有害物質は含まれています。
日本においても喫煙による死亡者は年々増加傾向にあると言われ、平成15年5月には受動喫煙の防止を盛り込んだ法律「健康増進法」が施行されました。日本だけでなく、禁煙化の流れは世界的な傾向ともなっています。
平成18年4月から禁煙治療が保険適用になりましたが、これは喫煙を単なる習慣や嗜好と考えるのではなく、ニコチン依存症という病気として捉え、必要な治療を行うという考え方です。当院でも皆さまがタバコをやめるためのお手伝いをさせていただきます。