リハビリテーション
当院の特徴リハビリテーション
新しい精神科リハビリテーションを目指し、リハビリを通して“こころ”と“からだ”を支えます
当院には総勢21名のリハビリスタッフが在籍しています。
- 作業療法士 16名
- 理学療法士 4名
- 言語聴覚士 1名
患者さんの「心身とも」に健康を目指し、精神科専門の作業療法士をはじめ、理学療法士が身体的機能の回復・維持のリハビリテーションを提供しています。また、言語聴覚士を中心に食事をするための嚥下機能(飲み込む力)や口腔ケアに力を入れています。
昨今の精神科病院において、精神的リハビリテーションのみではなく、身体的リハビリテーションが必要な患者さんが多く存在します。ですが、日本の精神医療では理学療法士や言語聴覚士を採用することはとてもハードルが高いのが現状です。少しずつ国の方針で精神科病院でも身体的リハビリテーションの導入が進んではいますが、日本全国をみても3療法士が揃っている病院は多くないでしょう。
そのような中でも当院はいち早くその必要性を感じ、平成29年にはじめて理学療法士、令和2年には言語聴覚士の採用がかない、日々懸命に患者さんの治療にあたっています。
また、最近では多くのご相談をいただけるようにもなりました。
例えば、精神症状の強い方が転倒し骨折をされたケースがひとつです。
救急病院などで骨折の手術した後、精神症状によりその病院での治療継続が難しいケースがあるようです。当院ではそのような方に対し精神的治療を中心に術後の身体的リハビリテーションを提供することが可能です。
医療関係者の方や、施設関係者の方、さらにはご家族の方よりリハビリテーションをご希望され、ご相談いただく機会が増えています。どのようなことでも構いません、お気軽に当院へご相談ください。
作業療法
Occupational Therapy
患者様に寄り添い、日常生活を送るうえで必要な“こころ”と“からだ”の機能回復のサポートをしていきます。
作業療法は作業を手段・目的としたリハビリテーションです。
作業療法における作業とは、身の回りのことを自分で行うセルフケアや、生活を楽しむレジャー、社会的経済活動に貢献するなど、人々が行うすべての営みといわれています。
当院での精神科作業療法では、精神疾患により生活に障害をもった方々に対して、他の人たちとの関りや、具体的・現実的な作業活動(創作活動・軽スポーツ・レクリエーション・音楽活動など)を利用し、精神機能の向上、対人関係能力の改善、作業能力の改善を図り、その方にとってよりよい生活が送っていけるように援助していきます。
また理学療法士・言語聴覚士とともに“からだ”のリハビリテーションにも力を入れており、応用動作能力(食事をとる、字を書く、トイレを使うなど)を中心に回復を目指すために、専門のセラピストも配置し、“こころ”と“からだ”両面から支えていきます。
理学療法
Physical Therapy
精神科病院入院患者様の4人に1人が廃用(長期安静による活動性低下によって筋力や心肺機能の低下、褥瘡など)や転倒転落の予防に対する専門的な対応を必要とされています。
理学療法とは病気、けが、高齢、障害などによって運動機能が低下した状態にある方々に対し、運動機能の維持・改善を目的に運動、温熱、電気、水、光線などの物理的手段を用いて行われる治療です。
患者様の基本動作能力の回復を図るため、運動療法を行い日常生活動作の機能改善を図ります。当院では令和2年度より「運動器Ⅱ」「脳血管疾患Ⅱ」「廃用症候群Ⅱ」の施設基準を取得しています。精神や心理の変調により身体疾患の増悪や日常生活動作の低下がみられた患者様にも質の高い理学療法を提供いたします。
言語聴覚療法
Speech-language Therapy
ことばの障害、きこえの障害、食べる機能の障害でお困りの時には、お気軽にお相談ください。
当院は言語聴覚士が在籍しております。入院患者様の高齢化に伴い、認知機能低下や、認知症による摂食嚥下障害と、長期安静による廃用症候群に対し、作業療法士・理学療法士とともに、言語聴覚士も精神科リハビリテーション領域に積極的に関わり、コミュニケーションや食べる機能に問題を持つ人やそのご家族に対し、豊かな生活が送れるよう援助いたします。
また生命活動を維持するためには栄養を必要とし、さらに摂取された栄養の内容に大きく影響を受けることになります。摂食/嚥下障害の患者様は、誤嚥性肺炎等のリスクがあります。安定した栄養を獲得することが難しい患者様には担当医師や看護師、管理栄養士、リハスタッフ等とカンファレンスを行いながら、患者様の栄養状態をサポートいたします。
リハビリについて
精神科作業療法では、月曜日から土曜日まで午前(9:45 ~ 11:45)・午後(13:50 ~ 15:50)とそれぞれ集団作業療法を実施しています。症状の安定、生活のしづらさの改善、生活リズムの維持、気分転換などが図っていけるよう集団活動へ参加していきます。
- 一週間のスケジュール例
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | |
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午前 | PS/ミーティング | 工芸 | 寺子屋 | 歌謡ショー | 趣味の日 | |
午後 | 書道 | カラオケ | 体操 | 運動/クラブ | 集い | ひだまり |
※機種により表をスクロールすることができます
また“からだ”のリハビリテーションでは脳血管障害による後遺症や骨折後の動作の改善、入院生活における身体機能の低下、また四肢の疼痛緩和など症状に応じて、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などが必要な治療をしていきます。医師や病棟スタッフ、リハビリスタッフにご相談ください。